トルコ石

トルコ石の歴史は計り知れません。
今から6000年前、中東のイラン(かつてのペルシャ)やエジプトでは既に装飾用に使用する目的でトルコ石が採掘され、この宝石を身につけていれば落馬の危険から身を守ってくれると信じられていました。

古代エジオプト人はトルコ石を身近に置いておけば例え死後に自分の魂が地上でさまよう事なく、蘇りで永遠の命を授かる事ができると信じています。

紀元前1000年頃になると中国やアメリカ大陸でもこの宝石が使われ始め、世界の複数の民族の間でそれぞれにトルコ石を使った文化が作られていきます。

アメリカの先住民インディアン(ネイティブ・アメリカン)にとっては、この石には『空の色の元となった魂が宿っているとして大切に扱ってきた』という伝説があります。

日本に於いてのトルコ石観としては、多くの文化が中国や朝鮮半島から海を超えて伝えられた中で、トルコ石だけは伝わらなかったそうです。したがって多くの日本人がこの宝石を知る様になったのは、20世紀に入ってからと言われます。

フランスやイギリスの考古学者調査隊がツタンカーメン王の墓を含むエジプト遺跡の調査を行い、古代エジプト人とトルコ石との関連性が明らかになってからトルコ石のブームが何度か訪れたそうです。その時、アメリカのネバダ州がトルコ石探索の対象となり、非含浸をうたったアメリカのトルコ石が一気に流通したそうです。その先陣を切ったのがアメリカ南西部にあるスリーピング・ビューティーという鉱山です。